雑記帖

存在します

夏が来るので

夏が終わることを考えています。その先にあるものが秋でも冬でも春でもいいのですが、ともかく夏が終わることを考えます。曰く季節は7つに分けることができて、それは秋、冬、春、夏の始まり、夏、夏の終わりであると。毎日を煌々とさせてあっても夏はそれ自体で煌々としているがゆえにどうにも光が足りなくなって家でアイスを食み頭痛に苦しむことになります。深夜に冷蔵庫を開けたら庫内の光が眩しくて、その光を太陽としてしまうために朝を迎えることができないという寸法です。ひどくくだらない。

夏が終わっていきますね - 100回嘔吐

夜になれば涼しくなる季節を通り過ぎてサウナの中を歩かされているような心地がして、昨年とは違う夏を過ごしたいと意気込んでみたって望まないところでばかり昨年とは違う夏であったりして、同じ道を通うのが急に嫌になって知らない道を選んでは迷うということをして汗に濡れています。雨がどっと降ったような次の日には空気がむせ返るような濃度で、そろそろと呼吸をして息切れをしたりします。

クロノスタシス - きのこ帝国

来るので、と言いさすと何となく『空が灰色だから』などが思い出されて手をつなぎたくなったりするのかもしれませんが、真実として夏は暑いのであって手をつなぐとより暑くなるという結果に堕すことになります。過去のことばかりを考えてしまうのは過去がかつてあった(çà a été)からで、未来のことを考えるのが苦手なのはそんなものはないからです。少しずつ忘れていくとよいのでしょうから、夏だって毎年同じなのがよいのかもしれないとまで思うのです。

月曜日 - amazarashi

草原に風が立って麦わら帽子が飛ぶような夏を幻視することをずっとやめながら続けているような心地がして、例えばそれでも入道雲雄大であって空は青いのだと思うのです。死にかけるように輝くのが紅葉で生きるように輝くのが青葉であるのですが、いま自分がどちらであるのかという問題は例えばいちめんのなのはなの中にかすかなるしたいなどを配置してみることによって満足させられてしまうということにも他ならないのです。たえて夏のなかりせば、と。

残灯花火 - Orangestar

あるいは茹だるような深夜のタイムラインを。布団を階下に下ろしてくるとぴあのを置く場所がなくなってしまうので自然夏の間は演奏が中止するのですが、代わりに歌を歌ったりギターを爪弾いたりすることもできるのかもしれません。謎解きをするように引用を配置してみたとしてそれに気づかれないことの方が多いのですから、ただ自分の言葉で話せばいいのに愚かなものです。次の著者に。不幸でも笑顔でいるのと熱っぽい体を扇であおぐのとはどこか似ているような気がするのです。どうか良い夏を過ごしてください。

ベイビー・アイラブユー - 泉まくら (cover)