雑記帖

創作以外のことを書きます

レヴュー: Airpods

私も人間なので、いや別に人間ではないのですが、たまには人の役に立つような記事を書きたいと思う場合もあるのですね。そうなんですか。ええ実は。そんなわけで人々が未知への恐怖から二の足を踏んでいそうなものについてそのハードルを下げたりしたいということです。別に下がらなくても一向に気にしないわけですが、ともかくもこのエントリ自体の方向性はそういう方を向いています。


さて、それでAppleの商品にAirpodsなるものがあるということです。イヤホンの仲間です。その中でもコードがなくBluetoothを使って通信をするワイヤレスイヤホンという部類に属します。

実のところワイヤレスイヤホンというアイデア自体は当然ながら世界にありふれており、種々のメーカーが数千円から数万円までのレンジでもって商品を売り出しています。そこにおいてこのAirpodsは1万7千円と一般的な人にとってはちと高くつくという代物であって、人々の中にはワイヤレスイヤホンというモノに興味があるなら数千円で結構ではないかという考えを取る人もいるでしょう。その通りです。ワイヤレスイヤホンを「体験」したいのであればそれらで充分であろうと考えます。ただ、今回の内容はワイヤレスイヤホンを「使う」というのはどういうことかということが焦点なのです。


簡単に気にすべきことを列挙しましょう。

・「コードがない」ということ

・充電

・音質

・ラグ

・費用対効果


1 「コードがない」ということ

これが如何に違うのかということは使ってみて真に実感することであると思うので多くは語りませんが、これは2つの面からイヤホンの使用という行為に画期的な変更をもたらします。

まず1つには作業の容易さが挙げられるでしょう。これは恐ろしいことです。スマートフォンを置いて作業が可能であるという事実がこれほど身体運動の自由性を高めるとはというところで、やはり人間は道具に機序を依存しているのだと改めて実感します。ヘヤノ=カタヅケから口紅のデザイン、シベリア鉄道の建設に至るまであらゆる作業に関して快適の増進が見込まれるでしょう。多分。

第2にはこれはそれ自体でもあるのですが、コードを気にしなくてよいということです。イヤホンの使用ないし不使用においてコードを気にする場面は多々あり、それは収納の不満、巻きつけの恐怖、歪みの苛立ち、そして断線の絶望となって生活のあらゆる側面を束縛するでしょう。いざ断線をし新たなイヤホンを手に入れれば絶望は回復されるものの、それは実のところただより巨大な恐怖と再び付き合おうという行為に過ぎず、結論としてまあ実に物好きなものであるのだなという感想を自らに抱かざるを得ないと、そういうことになるのです。多分。コードが姿を消すということは単にその使用においてではなく、将来に幾度となく横たわる断線という絶望(および買い替え)からの解放でもあるのだということに気づくのです。

では逆にコードがないことによる恐怖、すなわち落下と紛失の危険についてですが、これに関してはさほど語ることは多くありません。すなわち、落下については恐るるに足らず、紛失についてはケースへの収納を徹底すべきということ、そして万が一使用中に落下したとしてもそれに気づかない人は何をやっても駄目ということです。


2 充電

断線という束縛からの解放と引き換えに迫ってくるのがこの充電という営為です。これは本体に関してもそうですが、Bluetoothを使う以上スマートフォンの充電の減りについても思いを致すべきではあるかもしれません。特に充電をぎりぎりにしてその日を終える人は(私はそのようなことはないので気にはならないのですが)。ただ、家の中で使う限りにおいては特に気にする必要のない問題であるといえます。家の中であればスマートフォンを充電しながらであっても(家が20m四方などでなければ)問題なく動き回れるためです。

本体については6時間程度の連続使用には悠々と耐えますし、10分程度充電すれば再び3-4時間は使えます(しかもケースが充電器になっています)。したがってどうしても充電という行為が面倒だということでなければ恐るるには足らないということになります。


3 音質

音質に関してはEarpodsと同程度です。同程度であるというのは実のところ非常な達成であるということは付記しておきます。劇的に良い訳ではありません。劇的に良いものを欲するのであればより高い値段、具体的には2万円を超えてくるものが選択の対象となるのですが、そうすると再び充電という問題が頭をもたげてくるということです。Airpodsはむしろ充電という点に関して性能に優れているのです。おそらくはワイヤレスイヤホンに取り組むにあたって最大の障壁であるところの充電という問題にかかる負荷を減らそうとするのは悪い選択ではないだろうと考えます。それに音質を最も気にするのであれば数万円の(ワイヤレスでない)ヘッドフォンが結局ベストでしょう。


4 ラグ

ややあります。ややありますが、動画視聴で意識に昇ってくるレベルのずれを感じることはありませんし、音楽に関してもそうです(かつ、別に音楽の場合はその気づかないほどの遅れにストレスを感じる理由がありません)。結局のところ別に気にする項目ではありません。

ただ、これだけは注意してほしいのですが、音ゲーやリズムゲーの類はやめておいた方がいいでしょう。目に見える遅れはなくても違和感は立ち上がってきますし、スコアにも特に良い影響は及ぼしません。スピーカーで音を出すかコード付きのものを併用するかが良いでしょう。


5 費用対効果

大体Airpodsの値段くらいまでが「充電の持ち具合に関して差のつく値段」で、そこから上は「音質に関して差がつく(場合もある)が、充電に関して劇的に良くはならない(むしろ悪くなる場合もある)」といった感じです。という訳でまあバランスの取れたモデルであるとは言えるのではないでしょうか。


最後に見た目について少し話しましょう。Airpodsは発表直後から「うどん」「耳からうどんが出てる」「ダサい」などの誹りを受けてきました。実際に付けてみてどう思うかというのは個人の感覚次第ではあると思いますし、実際に耳からうどんを生やしたい方面の人も当然存在してよいのではありますが、個人的な感想としては別にそんなにうどんって感じでもないというところです。むしろドラえもんとかの未来人っぽいという愚直な感想を抱きました。いつぞやのギズモードか何かの記事で、「いずれはコードがあるイヤホンの方が『耳からそうめん』などと笑われることになるのかもしれない」といった内容のものがありましたが、まあ美的感覚など大衆にとってはそのようなものだろうとやや絶望する次第です。悪くはないけどね。


結論としてはまあ私は楽しくそれを使っているということです。それがこの出来事の大体のことです。